「好きなように描く」ことの難しさ
ゼンタングルを始めると、もっと色々なパターンを知りたくなって、もっとゼンタングルを知りたくなって、InstagramやFacebookで世界のタングラーたちの作品を見る機会が増えると思います。
そして、そのタイルの美しさを見るたびに、
「あー、私もこんなふうに描けたらなぁ」
と思ったり、逆に自分のタイルの拙さにダメ出しをしたくなってしまうかもしれません。
最近では、新型コロナウイルスの影響で対面でのワークショップができない世界のゼンタングル講師がオンラインワークショップを開催したり、YouTubeやInstagramでチュートリアルを公開してくれていたので、タイルを描くネタとしては事欠くことがありませんでしたね。
…というわけで。
見れば見るほど頭の中で余計にいろんな思いが渦巻いてしまいますよね。
でも。
そこで、ちょっと待ってほしいのです。
ゼンタングルの良さは「比べない」です。
そのタイルはあなたの描いたものではないし、正解も不正解もないのです。
あなたは自分を他人にしたいですか?
それより自分の中の自分を認めることからしてみませんか?
要は、自分と他人とは比べる対象ではないということなんですね。
それから、誰かの素晴らしいタイルや、本をお手本に描いているときはちゃんと描けるのに、いざ自分だけのオリジナルなものが描きたくなって真っ白なタイルに向かいあうと、何をどうやって描いたらいいのか思いつかない。
ゼンタングルは好きなように描いていいのに、どうやって自由に描いたらいいか分からない。
そんな壁にぶち当たることがあります。
それは、素晴らしいタイルを模倣しているだけだからかもしれません。
誤解のないように言っておきますが、模倣が悪いと言っているのではありませんよ。
多分…模倣から入る人がほとんどですからね。
ピカソも言っています。
【優秀な芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む】
せっかく世界のタングラーや講師たちが、素晴らしいタイルをシェアしてくれているんですもの、それを描かない手はありません。
どんどん触発されてください。
どんどん描いてみてください。
そうやって描いているうちに、タングルパターン同士の相性や、バリエーションや、苦手タングルの克服や…もしかしたら自分オリジナルのタングルが出来てしまうかもしれません。
「おっ♡これはいいぞ♡これが好きだぞ」という、自分なりの、自分流の、ふとした瞬間に訪れるちょっとした発見があるのです。
誰かが描いた個性的で素晴らしいタイルは、やがて自分の個性となります。
…というわけで。
やっぱり、描き続けることが自分のオリジナルへの一番の近道だと思うんですよね。
「描き続ける」は、「練習」じゃありませんよ。
練習、宿題ってなるとゼンタングルがつまらないものになりかねないので、とりあえず紙とペンを持って机に向かって、気が乗らなければ線一本でもいいんです。
もうひとつ。
描き続ける為には「ストリング」という最強の味方があります。
ゼンタングルの基本的な描き方を習った方なら、誰もが最初に教わる8ステップ。
そのなかに、鉛筆でタイルを区切る「ストリング」というものがあります。
このストリングは、素晴らしい提案です。
「自由に描いて♫」と言っておきながら、区切り線をつけるのですから、一見制約を与えられたようで、本末転倒じゃないか〜と、感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしストリングは、そんな思いを良い意味で裏切ってくれます。
鉛筆でうっすらと描いた区切りは、描いていくうちにタングルに隠れて消えてなくなります。
ストリングを活かしてライン状のタングルパターンを描けば、くっきりとした出来上がりになり、ストリングからはみ出したり、余白を残したり、きっちり描かずに隣り合わせのタングル同士を重ねたり繋げたりすれば、ドラマチックなタイルに仕上がりますね♫
ストリングは、「好きなように描く」ための小さな仕掛けなのです。
…というわけで。くどい(笑)
タイルという小さなキャンバス
ストリングという区切り
この『制約』があるからこそ見つけることができる、無限に広がる想像力と創造力と、なにより「自分」を見つけてください。
…というわけで。まだいうか(笑)
「好きなように描く」が難しいと感じるのは、知らず知らずのうちに難しいと決めつけている自分がいるのかもしれませんよ?
ゼンタングルの講師として、ゼンタングルを楽しむヒントとなるような作品を、Instagramへアップしたり、ワークショップを開催したりしながら、私の出来る限りの道標を提供していけたらいいなぁと思っています。
はい。
ゼンタングルのお時間です♫
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